上沢寺のオハツキイチョウ


山梨県南巨摩郡身延町下山
●樹高 37m
●幹周 6.8m
●樹齢 伝承700年
●国指定天然記念物
   (1929年4月2日)
国道52号「上沢」信号近くに上沢寺がありその境内に立つ。縁起とともに、次のような話が伝わっている。 文永12年(1274)、宗祖日蓮上人が初めて身延山に入山した頃、真言宗の恵朝阿闍梨善智法印が、上人に法論を挑んだ。敗れた恵朝は、当時は真言宗であった上沢寺住職法喜阿闍梨とともに、表向きは心服の姿勢を見せつつ、その実は毒入りの餅で、日蓮上人を毒殺せんと謀った。上人が何気なくその餅を白犬に与えたところ、口にした途端、白犬は悶え死んでしまった。この有様をつぶさに見た両名は、今度こそ本当に恐れ入り、日蓮の弟子となった。日受の名をいただいた法喜は、白犬の亡骸を上沢寺境内に手厚く葬った。上人はこの犬を憐れみ、手にしていた杖を立てて墓標とした。それがこのイチョウである・・・。そんな創立縁起を持つイチョウは「毒消しイチョウ」と呼ばれることもある。またそのギンナンは細く尖り、犬の牙のように見えるそうである。結実するこの時期は境内は立入禁止で近付けないのは残念である。

2016/11/26

2016/11/26


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